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◻︎レンゲ

2013年始まり。

私の眼に見えるものは、次々に変わっていきます。

ああ

もうあの子は小さな天使じゃないんだ。
私だって、もう小さな少女じゃない。
子どもはお姫様にだって、勇者にだってなっていいんだよ。
大人はお姫様にも勇者にもなれないの。
だから子どもに言ってあげてください。


止めどなく、めくるめく青いものを想像してみてください

私たちは全然違うから頭の中だって同じものなんて何一つもないけれど
ちょっとだけじっとして
ただ青いものを探して
だいたい空っぽに、だいたい同じになったところで、もう一度この本を読み進めていってほしいです

私はここ数年でとても風の様子が気になるようになりました
いつか越して来たばかりの頃に、玄関に白い粒が点々と張り付いていることがありました
まじまじと見てみたり、触ってみたりしてから、まさかと思って指に付いた粒をちょっとだけ舐めてみたら、やっぱりそうでした
しょっぱくてそれは塩の味でした
退屈だったその頃の私にとっては、突然に舞い込んだ驚きでした
まるで遠い誰かからの便りのようで

私は便りが素敵なものだと知ってから私もいろいろな便りを一生懸命しようと思ったのです

それから、私の周りで静かに立ちすくんでいるものや、舞っているもの、時々思い出す記憶、全部便りに思えてきて、できるだけ拾ってみようと思いました
それらを、言葉にしたり歌ったりすることにしました

海の近くに暮らし始め、過ぎ行く日々の中で、潮風がいつ届くかどうかを毎日知らぬうちに気にしていました

最近では、そうだな、いつも見る鏡の前に置いてある、空いた牛乳瓶に毎日違うハーブが飾られていること。

私は、その花や草たちを誰がそこに添えてくれているのか、気になりながら今日も知らないままでいます

誰かなどは問うことはなく、ただ誰か優しい心の持ち主だと思いながら、なんとなく過ぎています
でもそれだけで、私はなんだか、曇りの日でもどこかわくわくし、まあるい穏やかな気持ちにもなります

この本は、私の言葉で書き記した、海からの便りです

どうか、すれ違う風のように、そっと耳元に届いてもらえたら。

高く青い空の下
初夏の日差しを受けて

レンゲ



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